0721の日に書いた、初アダルト
「……っふ、……ぅ」
薄暗い室内。窓から差し込む月明かりの中、サンクレッドは自らを慰めていた。
書き机にうつ伏せ、腰を突き出す体勢で指を絡めた陰茎は、すでに卑猥な音を立てている。緩急をつけ擦り上げながら、机上の羽ペンを見遣る。浸かったインクの匂いを吸い込めば、先走りが溢れ出した。
「あッ、ぁ……っ」
寝るのは誰でも構わなかった。抱き、抱かれ、欲求を吐き出すのは変わらないと。ひとりを想って自慰行為に耽るなど、考えもしなかった。
この部屋が悪いんだ。
言い訳を探すようにサンクレッドは思う。
元々、書庫を改装したこの宿は、その時の名残りで各部屋に本棚が設置されている。古い紙とインクの匂い。
それはサンクレッドに、砂の家の執務長を思い出させるには十分だった。
「ん……」
利き手に間に合わせの軟膏をのせ、後ろに添え当てる。しばらく受け入れいない蕾は、硬く閉ざされていた。
窄まりに軟膏を馴染ませ、指を差し入れる。第二関節が飲み込まれた辺りで腹側を引っ掻くと、サンクレッドの身体が跳ねた。
「ぁ、あ、ぁ……そ……こ……っ!」
覚えた味を思い出すように指の本数を増やしていく。咥え込んだ指を不規則に動かし快感を探りながら、前を扱き上げた。
「……はッ……あァ」
呼吸が乱れる。しかし自らを追い上げる程に、欲求は満たされない。ヒューランの指では届かない、奥が疼くのだ。
褐色の広い掌。長い指。切り揃えられた爪。
「ウリエンジェ……!」
堪らずに名前を呼ぶ。平生は書冊を捲るその手が、書き物をするかの如くサンクレッドの身体を弄り、熱のこもった吐息を漏らすのが好きだった。
『サンクレッド』
記憶の中のウリエンジェが低く、甘い声で囁く。
それだけで内壁が指を締め上げる。届かない奥が切ない。
「……ソレ、ゃだ……っア、ん」
浅い場所を開いて小刻みに揺り動かせば、支えのない下半身がガクガクと震え出した。絶頂がすぐそこまで、迫っている。
「ぁ、もう……イク、から……ッァ!」
幹を握る手の人差し指を鈴口に這わせて抉ると同時に、内側のしこりを押し潰した。
「……ヒッ、ぁあーー……っ」
手の内に白濁をぶち撒ける。受け取めきれない残滓が、床に飛び散り染みを作り出した。
「はぁっ……は……」
射精したことで疲労が襲いかかる身体に、サンクレッドは膝をつく。
一度達した内奥が、まだ足りないと訴える。口が寂しい。精液が手首を伝うのに構わず指をしゃぶった。
苦い。望む場所に届かなかった指先を見つめ、その手を持つ男を想う。
ウリエンジェ。
声には出さず、口元のみでもう一度名を呼んだ。